鼠径ヘルニアは、お腹の筋肉の薄いところから腸などが押し出され、皮膚のところまで飛び出す病気です。「ヘルニア」とは体内の臓器が本来あるべき位置から脱出、突出したことを示します。例えば椎間板ヘルニアは椎間板が飛び出て神経を圧迫する病気です。さて「鼠径」は太ももとお腹の境の部分を意味していて、「鼠径ヘルニア」とは股の付け根から臓器が脱出していることを言います。腸が飛び出てくることが多いので、昔から「脱腸」と言われて来ました。
成人鼠径ヘルニアの患者さんの8割以上は男性です。術前の画像診断により鼠径部ヘルニアの状態を確認した上で、日帰り手術の適応の判断や治療方法を計画いたします。
I.外鼠径ヘルニア
幼児と成人が発症するほとんどのヘルニアが外鼠径ヘルニアです。鼠径部の外側やや上方から膨らみ始め、これが少しずつ大きくなると最終的には陰嚢まで臓器が脱出してくることになります。
嵌頓(かんとん:脱出した臓器が出入り口で締められて戻らなくなること)になる可能性が最も高いヘルニアです。比較的若い患者さんのほとんどはこのタイプです。中高齢者にも多く、一般的な鼠径ヘルニアと言えます。
Ⅱ.内鼠径ヘルニア
外鼠径ヘルニアの出入り口より内側の鼠径三角という部位の筋膜が弱くなり、臓器が押し出されて飛び出すのが内鼠径ヘルニアです。中年以降の男性に多いのが特徴です。左右両方が脱出してくることがあります。
Ⅲ.大腿ヘルニア
女性に多いヘルニアです。特に高齢の女性に多いのが特徴です。太ももの付け根の下側が膨らみますが、付け根の上に膨らむこともあります。最も嵌頓を起こしやすいヘルニアなので早く手術をして治す必要があります。
Ⅳ.複雑なヘルニア
外鼠径ヘルニアや内鼠径ヘルニア、大腿ヘルニアが同時に起こることがあります。単に鼠径ヘルニアと言っても人によって脱出する部位はさまざまです。従って術者はその患者さまに合った手術の方法を選ぶ必要があるのです。術前の画像診断が重要になります。
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